2011年5月の記事一覧

社会人が「英語をもう一度やりなおす」ための「おすすめ参考書」はこの9冊

カテゴリ:[ 社会人におすすめ英語の勉強方法 ]
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時々、「英語はあまり得意でないので、別の外国語を勉強したい」と言う人がいるが、そういう人に対して、筆者は「子供の頃に英語圏以外の外国で生活して、その国の学校で英語以外の外国語を勉強した経験がありますか」と尋ねる。ほぼ全員が「そういう経験はありません」と答える。「それならば、第一外国語の英語をきちんとマスターすることを勧めます。外国語学習の場合、初級・中級段階で覚えなくてはならないのは、文法と語彙だけです。英語でその訓練をしておけば、次の外国語の習得もそれほど難しくありません。逆に英語がまったくできずに他の外国語が完璧にできるという人を私はこれまで1人も見たことがありません」と答えている。

英語を勉強するためにまず重要なのは動機だ。英語を習得するためには集中して長時間机に向かう必要がある。苦痛で退屈な作業だ。こういう作業を遂行するためには強い動機が必要だ。「教養のために英会話を勉強したい」というのでは動機が弱すぎる。これに対し「観光旅行でロンドンに行くので、レストランや土産物屋で英語を話したい」という動機でも十分だ。その場合は、文法はとりあえず無視して、「こんにちは」「いくらですか」「ロンドン塔に行くにはどの地下鉄駅で降りればいいですか」などという文章を丸暗記し、数字と地名や食べ物の名前を覚えればよい。これで観光客として必要な意思疎通ができる。しかし、こういう手法で英語を勉強しても、観光旅行を終えてしばらく経つと暗記した内容が記憶から消えてしまう。理解を伴わない暗記は、記憶に定着しにくいのである。

大多数の日本人は中学と高校で6年間英語を勉強している。しかし、その内容を十分に理解していないので英語が苦手なのである。

「学校英語は実務の役に立たない」ということがよく言われるが、これは間違いだ。高校レベルの英語を完璧に習得していれば、英語圏諸国で日常生活には支障がない。さらに5000語程度の抽象的な単語を記憶すれば、大学の授業にも十分ついていくことができる。学校英語の内容は国際基準で見ても十分に良くできている。

しかし、それを生徒が消化できない教育システムに問題がある。それは中学英語の内容が易しすぎるために、そのしわ寄せがすべて高校英語にきてしまい、ほとんどの生徒が高校英語を消化できずに卒業してしまうからだ。日本の大学では、英語を専門とするコース以外では高度な英語力を必要としない。日本は翻訳大国なので、国際的に流通している英語で書かれた大学教科書もほとんど邦訳がある。それだからほとんどの日本人にとって英語力が最も高いのは入試に合格した時点で、その後は低下する傾向にある。

そのような現実を踏まえた上で、大学生や社会人が英語を勉強する場合に重要なのは自分の英語力がどの段階で欠損を持っているかについて正確に知ることである。具体的には、国際的に定評がある英語自習書『マーフィーのケンブリッジ英文法(中級編)』(ケンブリッジ大学出版局)の練習問題を解いてみることだ。これで正答率が8割を切る場合には、高校段階までの英語に欠損がある。

大学生ならば、高校の英語教科書をもう一度、1年生からやり直してみることだ。その時、恥ずかしがらずに「教科書ガイド」を購入することを勧める。「教科書ガイド」と見比べながら、教科書を完全に消化した後に、専門書を英語で読むゼミを選択すれば英語力が飛躍的に向上する。

社会人の場合、英語に毎日長時間を割くことはできないので、定評のある大学受験参考書で勉強することを勧める。例えば、石黒昭博監修『総合英語 Forest[6th edition]』(桐原書店)で文法を勉強するとともに霜康司/刀祢雅彦『システム英単語Basic』『システム英単語Ver.2』(共に駿台文庫)で語彙力をつける。知識が定着しているかどうかは瓜生豊/篠田重晃編集『Next Stage英文法・語法問題[New Edition]入試英語頻出ポイント215の征服』(桐原書店)でチェックする。その後、初版が1933年で78年の伝統をもつ受験参考書である原仙作/中原道喜『英文標準問題精講[5訂版]』(旺文社)を解いてみる。そうすれば、辞書を少し引くだけで英字新聞を読むことができるようになる。

今ここであげた教材が難しいと感じる人は、中学英語に恥ずかしがらずに戻らなくてはならない。英語は積み重ね課目なので、中学英語ができていない人がいくら高校英語を勉強しても時間の無駄である。もっとも前に述べたように中学英語の内容は薄いので大学生や社会人ならば、中学生が3年で勉強する内容を3~4か月で習得することができる。中学校の教科書を買ってきて勉強してもよいが、1930年に初版が刊行され81年も入門書として生きている松本環/半田一郎『英語四週間』(大学書林)ならば文字通り4週間で中学レベルの英語を習得することができる。それに『くもんの中学英単語1500』(くもん出版)で語彙を身につければ、高校レベルの英語についていくことができるようになる。

社会人の場合、日々の仕事に追われるので、家庭教師や語学学校を上手に組み入れると英語の上達が早い。この場合、英会話の勉強ではなく、文法、英文解釈、英作文の課題を教師にあらかじめ出してもらい、それを授業中に解くという方式が効果的だ。授業は2~3人の小グループで行なうと「宿題をさぼって授業で恥をかきたくない」という心理が働くので、学習効果が高まる(筆者は現在、四谷の大学書林国際語学アカデミーに通ってこの手法でチェコ語を勉強している)。語学の上達には確かに才能が必要だ。ただし、初級・中級段階(高校英語に相当するまでの段階)において才能は必要とされない。努力に応じた成果が必ず出る。

英語力を評価する国際基準となっているTOEIC、TOEFLを受けて自分の英語力を客観的に把握しておくことも重要だ。筆者が見るところ、英語の総合力をはかるのにもっとも優れた国際的な試験はIELTS(アイエルツ)だ。IELTSは英国とコモンウエルス(オーストラリア、ニュージーランドなどの英連邦諸国)への移住や留学のための英語力測定試験である。大学・大学院への留学を目指している人のための学術区分(Academic Module)と高校以前の教育機関や、移住を目的とする人のための一般訓練区分(General Training Module)がある。この試験については『IELTS 学習法と解法テクニック』(アルク)に詳しい。

http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/sapio-20110505-01/1.htm